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海外投資(海外ファンド) 違法業者にご用心!

更新日:2011年11月25日

香港上海銀行(HSBC香港)口座開設の落とし穴(コラム)

香港上海銀行(HSBC香港)に日本人が口座を開くことが、まるでブームになっているようだ。このキーワードでネットを検索すると、関連サイトがゴロゴロと出てくる。そんな中、12月1日付週刊新潮に、「香港上海銀行に資産防衛の口座開設『2泊3日の』体験記」という記事が掲載された。以下、この記事の内容を検証してみた。

資産フライトの条件がそろっているのは事実だが

記事の前半は、昨今の欧州危機を憂うる内容。この前半部分について、記事は正確に事実をとらえている。要点は以下の通り。

① 欧州危機の拡大が懸念される
② ユーロ安円高が日本の輸出企業の経営を厳しくしている
③ 日本の財政破たんのリスクや増税の方針を嫌がって資産を海外に逃す〝資産フライト〟が起きている
④ そもそも日本の金融機関のサービスはガラパゴス状態にある

日本から海外の運用機関に投資すればいいこと、なぜ香港へ?

ここまでの記事の内容は否定しないが、ここで話はいきなり飛躍する。資産フライトをするなら、世界各国の金融機関においてもさまざまな選択肢があるはずだが、話は香港に、そして香港上海銀行(HSBC香港)に限定される。

なぜ香港の、それも香港上海銀行(HSBC香港)なのか? 記事は自ら問いかけ、「まず、香港が日本に最も近いオフショアだから」との発言を引用しているが、唐突感は否めない。オフショア市場は世界中に点在し、それらに籍を置く運用機関へは、国内の投資助言会社や投資顧問を使えば、日本からでも直接、投資できるからだ。

また、「日本の銀行で外貨預金をする場合、往復2円の手数料がかかる」とあるが、今ではネット銀行やネット証券で、ほとんど手数料なく外貨ETFやFXができる。香港まで行くような金融知識のある人が、今どき邦銀の外貨預金なんてするだろうか?

そもそも海外投資をするために、わざわざ香港へ行って香港上海銀行(HSBC香港)に口座を開設する必要はない。金融庁に正式に登録された日本の投資助言業者や投資顧問業者を使えば、海外の投資商品に直接アクセスでき、日本から銀行引き落としやクレジットカード払いができるからだ。

また、あえてHSBCにこだわるなら、日本の支店でも口座は開設できる。最低預金額1000万円のプレミア口座だが、まさか10万円や100万円をもって香港へ行って口座を開設したところで、それで資産フライトでもあるまい。

この記事はまずはとにかく香港、そして香港上海銀行(HSBC香港)ありき。そして記者は、口座開設「2泊3日」の旅に出る。

脱税してでも資産を守る?

記者は香港に着き、ある支店でわずか15分の非常に簡単な手続きで口座を開設する。航空券と宿泊費合計が7万9000円で済むことの安さを強調するが、それでもコストはコスト。ましてやたった15分間の手続きのためのコストとしては高すぎはしないか?

ちなみに、100万円超の現金等を海外に持ち出す際は、出国時に税関で申告することが外為法19条で定められており、違反すれば関税法111条により5年以下の懲役、もしくは500万円以下の罰金が課される。

しかし当然ながら、普段のこずかい口座を開設するためにわざわざ香港へ行く人はいない。記事中では「500万円ずつ紙袋で包み、それをソフトケースに忍ばせ、X線検査も何事もなく通過していました」と、違法事例を紹介。

さらに、「HSBCでは口座を共同名義にもできますが、キャッシュカードと暗証番号さえあれば、死んだ父親名義のものでも香港では死亡を把握できないので、普通に使えます。日本では莫大な相続税を払わねばならないため、違法を承知で資産フライトする人たちがいるのは事実なんです」と脱税の事例を紹介。

現地コーディネーターの発言の体裁をとっているが、脱税指南とも取られかねない内容だ。

このような事例に対しては最近、国税庁が神経を尖らせている。金融庁もこの事実を把握しており、取り締まり体制を強化して目を光らせている

また、脱税の温床に使われるのは香港上海銀行(HSBC香港)にとっても迷惑な話。今後は、日本人の口座開設者を拒否する可能性もある。

違法業者に注意
記事中に登場する現地コーディネーター、笹子善充氏は「香港マイタン日記」というサイトを運営する、アメジスト香港という無登録業者の代表。

アメジスト香港は「代理店・紹介代理店」と名乗り、顧客に海外業者を紹介している。そもそも記事中に登場する「HSBC香港ラクラク口座開設キット」とは、アメジスト香港が開発した営業ツールだ。

このような業者は日本人の投資家を勧誘・紹介することで、香港のIFAからバックマージンを得ていると考えられる。

金融庁は「無登録の海外所在業者による勧誘にご注意ください」(http://www.fsa.go.jp/ordinary/kanyu/20090731.html)というホームページで、アメジスト香港に対して注意を喚起している。(「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」http://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/mutouroku/01.pdf)参照、リスト中のCCFX Ltd がアメジスト香港)。

また、最近になって、無登録業者との契約は無効との判断も示され始めている。http://www.minkaigai.com/archives/4854
繰り返しになるが、海外ファンドへの正当な投資方法は、金融庁に登録された合法な投資助言・投資顧問業者を通すことが原則。安全・安心な業者選びについては、本サイトの「チャート式本物の優良業者の探し方」(http://www.minkaigai.com/archives/1197)参照

海外投資は日本にはない有利な投資商品に投資することが目的であり、もちろん脱税が目的ではない。違法業者に惑わされることがないようにくれぐれも注意したい。

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