
ルクセンブルク中銀総裁「ギリシャ支援遅れればユーロ危機」
民間金融負担に慎重
(2011年7月18日 日本経済新聞)
ルクセンブルク中央銀行のイブ・メルシュ総裁は日本経済新聞と会見し、ギリシャへの追加支援決定が遅れていることに強い危機感を表明した。支援実行が遅れれば「(欧州の単一通貨)ユーロを傷つけ、債務危機はユーロ危機に転換する」と警告、ユーロの信認維持へ域内の結束を訴えた。ギリシャ国債への再投資など民間金融機関に自発的負担を求める案には「前提条件に据えてはならない」と慎重姿勢を示した。
メルシュ氏は通貨統合交渉にも長く関わり、欧州中央銀行(ECB)の理事会で最古参のメンバー。会見後にアジア歴訪に出発しており日本や中国、韓国の官民の関係者にギリシャなどの債務危機について説明する。
ギリシャの債務不安が広がりを見せる中、中銀関係者がユーロの「危機」に直接言及するのは異例で、欧州内の意思決定力の低下への強い危惧を表したものだ。ギリシャ支援問題は21日の欧州連合(EU)臨時首脳会合で再協議するが、合意の成否が焦点となる。
メルシュ氏は現状を「欧州の財務相が決定をためらい、市場が非常に不安定になっている」と分析。ギリシャ支援を巡る民間金融機関の関与の問題を原因に挙げた。
具体的には銀行などが償還期限を迎えたギリシャ国債の一部を新たな同国の国債に再投資するという案について「一部の国のポピュリスト(大衆迎合)的な動きで国際通貨基金(IMF)の原則に沿わない提案が複数の財務相から出ている」と主張。一般論として民間関与は否定しないとしたものの、民間側に相当規模の関与を求めるドイツなどを暗に批判した。
格付け会社がギリシャ国債をデフォルト(債務不履行)の水準に格下げする考えを示唆したことを念頭に「デフォルトとなった担保は適切な担保とはいえない」とも言明。資金供給の担保としては受け入れられないとの立場を強調した。
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