否定できないギリシャデフォルトの可能性(2011年6月28日付日本経済新聞)
世界の市場でQE2の終了後も引き続き危ぶまれているのはギリシャの債務問題だ。欧州連合(EU)は追加の金融支援でギリシャの資金不足を補い、デフォルト(債務不履行)を避ける構えだが、専門家や市場関係者、メディアなどの間では悲観論も流れる。
英フィナンシャル・タイムズには米国を代表する経済学者で、ハーバード大学のマーチン・フェルドシュタイン教授が寄稿。ギリシャのデフォルトは避けられず「いつ起こるかが唯一の問題」と主張した。英誌エコノミストはギリシャ国民の緊縮財政への強い反発に加え、スペイン、イタリアに波及する懸念を改めて指摘。デフォルトを「認めない戦略は難しくなった」と論じた。
ドイツの有力紙、フランクフルター・アルゲマイネは24日付の社説で、ギリシャの財政改革の遅さを批判するとともに、支援をだらだらと続けることは「債務のウイルスに(支援国も)感染してしまう」と訴えた。
ギリシャの問題がリーマン・ショックのような危機を再び引き起こすかどうかは意見が分かれる。デフォルトが実際に起きれば、通貨ユーロや株式のパニック的な売りを誘うとの懸念がくすぶる半面、一定の効果を認める見解も出ている。
ギリシャ支援計画が難航
(2011年6月28日付ウォール・ストリート・ジャーナル)
欧州の民間銀行は、ギリシャ債務危機の対策の原則で7月3日までに合意したいとしているが、関係筋によると、それまでに間に合わない可能性がある。
フランスの提案が明らかになった翌日の27日、欧州の民間銀行の代表がローマに集まった。同国の提案は、ギリシャ国債を保有する民間債権者は償還額のほぼ半分を借り換えて、エクスポージャーを半分にするというもの。この案は、ギリシャ債務問題には民間債権者も寄与すべきだと各国が要求する中で出てきた。欧州の民間銀行は、ユーロ圏財務相会合が開かれる3日までに基本計画で合意したいとしている。
しかし、他の国からの独自の案もあるため、この仏案が受け入れられるとは限らない。関係筋によれば、27日の討議は可能性のある計画の技術的側面に焦点が当てられた。
各国政府と銀行は、ギリシャ債務危機の解決に際しての民間債権者の秩序立った参加を実現することを目指している。これによってギリシャへの追加支援への―特にドイツにおける―抵抗勢力がなだめられ、同時に、格付け会社がギリシャ国債のデフォルトと判断しないことになれば理想的だ。
しかしこれは、格付け会社が、たとえそれが「自発的」とされても、債権者の利益を傷つければデフォルトと判断するとしていることから、難しい。
フランスの案では、金融機関はエクスポージャーを減らすことはできるが、最長30年の国債を購入することで長期間ギリシャと縁を切ることができなくなる、と関係筋は述べている。また、特別ファンドを設けて、これらの金融機関が償還額の約20%をここに投資することも盛り込まれている。このファンドは、30年物国債の一部がデフォルトとなった場合の保険の役割を果たすという。
しかし、ローマ会議では他の国からの提案も話し合われており、必ずしも仏案でまとまるとは限らないという。
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