引き続き。朝倉慶氏の『2011年本当の危機が始まる!』から。日本の金融商品の収益力が低いのは、常に欧米の投資家が先回りしているからだと言います。それはつまり日本の投資家が「愚鈍」であることにほかなりません。
日本の年金資金の運用は、安全第一ということで運用資産の8割弱を債券で運用しているにもかかわらず、2008年度の運用損失は9兆6670億円、120兆円の運用資産の1割近くを失ったのです。
損をしているのは年金資金だけではありません。この日本で1兆円以上のファンドで成功した事例は皆無なのです。100兆円の100分の1の1兆円ですら、金額が大きすぎてまともに運用できたためしはないのです。
鳴り物入りで作った巨大ファンド「ノムラ日本戦略株ファンド」は集めた資金が1兆円を超えたことで話題となりましたが、今やその残高は997億円、ついに10分の1になってしまいました。現在、日本で資産残高が1兆円を超えるファンドは、「グローバル・ソブリン・オープン・ファンド」だけ。単独としては日本最大となるこの「グロソブ」も、ピーク時に5兆6800億円あった残高は3兆4000億円を割りました。
なぜ、株も債券も日本のファンドはかように損失を重ねるのでしょうか? 1年で13%もの収益を上げたPIMCOとの違いは何のか? なぜ、PIMCOをはじめとする海外の有力ファンドは儲かっているのか? 答えは単純で、海外の有力ファンドは日本のファンドが売った時に買って、買ったときに売るからです。反対のことをやっているから儲けることができるのです。
たとえばグロソブなどは、債券の格付けが下がると、その債券を自動的に売ることにしています。海外の有力ファンドは格付け会社にも情報網があるに違いないので、先回りして売っておきます。そして、債券の格付けが引き下げられると日本のファンドはその債券を売却するので、そこを買い戻せばいいわけです。
たとえば、今回のギリシア危機では、PIMCOは発覚の4か月前にギリシア国債をすべて売り払ったと公言しています。その後、ギリシア危機が表面化して日本のファンドが慌てて売りにいったところを買い戻しているのでしょう。
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